各自治体で75歳以上を対象に行われている後期高齢者医療制度の健康診査に、2020年度から「フレイル健診」が加わりました。健診の受診者に質問票を渡し、「心身の状態」「栄養」「口腔機能」「運動」「認知機能」「社会性」といった指標に基づく15の質問に答え、フレイルの状態を判定します。
フレイル健診が導入される以前の質問票は、内臓脂肪型肥満に複数の病気が組み合わさった「メタボリック・シンドローム」を重視した内容でした。しかし高齢期は太りすぎよりもむしろ「痩せすぎ」のほうがフレイルのリスクは高まることから、フレイル健診の質問票には低栄養や痩せすぎをチェックする項目が盛り込まれています。
<フレイル健診の質問票>
- あなたの現在の健康状態はいかがですか
- 毎日の生活に満足していますか
- 1日3食きちんと食べていますか
- 半年前に比べて固いもの(さきいか、たくあんなど)が食べにくくなりましたか
- お茶や汁物等でむせることがありますか
- 6カ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか
- 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか
- この1年間に転んだことがありますか
- ウォーキング等の運動を週に1回以上していますか
- 周りの人から「いつも同じことを聞く」などの物忘れがあると言われていますか
- 今日が何月何日かわからない時がありますか
- あなたはたばこを吸いますか
- 週に1回以上は外出していますか
- 普段から家族や友達と付き合いがありますか
- 体調が悪いときに、身近に相談できる人がいますか
フレイル健診で使う質問票は、フレイルの兆候やフレイルにならないためのポイントが整理されています。健診のときだけでなく、日頃から質問の内容を意識することで、フレイルに気づき、適切な対策をとることができます。フレイル予防に活用しましょう。