高齢者と漢方

フレイルと腎虚

漢方の概念にある「腎虚(じんきょ)」とは、生命エネルギーが衰えた状態のことを指します。つまり腎虚はフレイルに近い状態と言えます。
そういった兆候を、簡単に測定し、できるだけ早く発見する方法「Jスケール」 (Japan Frailty Scale:JFS)を紹介します。

Jスケールとは

Jスケールは、漢方医学の老化の概念に基づいて、フレイルの簡単な自己申告スクリーニングスケールとして開発されました。
このJスケールを用いて、フレイルまたはその前段階のプレフレイルの判定を行うことができます。
質問は、漢方医学の「腎虚」の概念を踏まえた内容になっています。Jスケールの「J」には、Japan、腎虚(Jin-kyo)の2つの意味が含まれています。

Jスケール

Jスケールでは、夜間頻尿、腰痛、下肢の冷え、身体のだるさ、および年齢の5つの質問を使用してフレイルをスクリーニングします。機器による測定や専門的な相談が不要で、項目数が少なく時間が限られているプライマリ・ケアの現場での使用に適しています。
スケール合計が4点以上の場合はプレフレイルの可能性がありますので、生活を見直し、医師に相談することも考えましょう。

Jスケール(Japan Frailty Scale:JFS)

質問項目(Q1〜Q5)に回答し、合計点が4点以上はプレフレイルと考えられます。

監修医師

萩原 圭祐先生

大阪大学大学院医学系研究科 先進融合医学共同研究講座 特任教授

※2022年当時の情報となります

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